日本未病医科学会設立趣旨書
我が国の医療は、近代西洋医学が導入されるまでは中国から伝わった東洋医学が主流であった。医師を大学教育で養成するようになったのも戦後のGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の命令によるものであった。しかし、近代西洋医学の導入は、良いことばかりではなく敗戦後70年を超え、現在は医療費の赤字に国も国民も困惑している。
そこで見直されつつあるのがセルフメデュケーションである。セルフメデュケーションとは、程度な運動、バランスの取れた食事、睡眠、休息等を保健のために自らが行うことである。そのセルフメデュケーションの本質は東洋医学の病気の原因を、り患した部分のみを診て対処療法を行うのではなく、病気の原因を体全体の問題として考えることにあるのである。近代西洋医学の医療費がかかる医療ではなく、自らが自らの体全体を診て予防するそれが純未病学であり、セルフメディケーションの本質でもある。発症してから治療することより、初めから発症させないことが重要であることに人類はやっと気が付いたのであろう。疾病を予防することこそ重要と気づいたのである。病気の東洋保健医学は純未病学そのものである。
当学会は、未病を東洋保健医学として捉えてセルフメデュケーションはもとより、国家財政に負担をかけない新たなこれからの医療と考え推進したいと考えている。生きることは常に病気のリスクと隣り合わせである。自らが自らの身を守ることこそ未病医学であると考える。
未病の通説は、未病概念を拡大解釈し疾病でありながら未病と位置づけ普及してしまっているのが現状である。そのために私たちは本来の正しい未病概念に立ち戻り東洋保健医学としての未病医科学の学問体系の確立を目指したいと考えている。
併せて、私達は、ここに古くて新しい未病医科学を広く国民に普及するために「日本未病医科学会」を設立するものである。
平成30年10月1日
The Japanese Oriental Health Care Society
JOHC 日本未病医科学会